落語絵本落語絵本は今、子どもたちに人気があり、静かなブームです。 「落語」という一つの日本の文化に触れる機会となり、 日本語や落語のおもしろさを身近に味わうことができます。 高座に上がっている落語家の話しぶりがそのまま軽快な 文章になっていて、リズムにのって読みこんでいくと、 まるで落語家になったような気分で盛り上がり、 聴いている方も語っている方も、実に楽しいです。 よく知られている落語のお話を絵本で展開していますが、 絵も味があってはっきりしていて、とてもわかりやすい。 ◆『まんじゅうこわい』 落語絵本 川端 誠 /クレヨンハウス 町内の若者が集まって、話題はといいますと、それぞれに、 自分のきらいな生きものを言い合おうじゃないか、 ということになりまして…。へび、おばけ、くもなど続くなか、 松っあんは「おれは、きらいなものなんかないよ。 だいいち、いい若いもんがあれがきらいだ、これがこわいって おかしいじゃないか」と言いますが、 しかし、まんじゅうだけはこわいのだと洩らしてしまう。 みんなは憎たらしい松っつぁんを懲らしめてやろうと、 まんじゅうを買い集めて、松っつぁんの寝床の近くに置く。 起きてきた松っつぁんは、山盛りのまんじゅうを見て、大絶叫! 「こわい、こわい」と連呼する松っつぁんですが、何か様子が変ですよ。 語りのおもしろさを充分に伝えてくれる絵本です。 最後のオチが手を打ちたくなるほど、すばらしい!! ◆『ばけものつかい』 落語絵本 川端 誠 /クレヨンハウス ご隠居さんが引っ越してきたのは、「おばけやしき」とうわさの高い お屋敷でした。 奉公人の久蔵はどうにもばけものが怖くて、ヒマをもらいます。 次から次へと出てくるばけものをこき使うご隠居さん。 夜になって一つ目小僧が出てきますが、これ幸いに、 掃除、洗濯、炊事など・・・どんどん仕事を言いつけます。 次の日には別のお化けが出てきますが、つぎつぎと現れるばけものを 恐がるどころか、ご隠居さんはこき使っていくのです。 最後のオチでは、ばけものに同情してしまいますよ。 おなじみの落語をうまく絵本にしてあります。 ◆『じゅげむ』 落語絵本 川端誠 /クレヨンハウス この絵本は今、子どもたちに大変人気の高い絵本で、図書館でも かなりの件数の予約が入っています。 これはまさに、NHK教育「にほんごであそぼ」の影響だと思います。 この番組は4月から始まり、月~金曜日まで、朝8時と夕方5時半の 2回放送されています。 「じゅげむ」とは有名な落語のお話で、 ある夫婦が子どもに長~い名前をつけて、どんなときもその名前を しっかり呼んで繰り返すというナンセンスなお話です。 寿限無(じゅげむ) 寿限無(じゅげむ) 五劫のすりきれ(ごこうのすりきれ) 海砂利水魚(かいじゃりすいぎょ)の 水行末(すいぎょうまつ) 雲来未(うんらいまつ) 風来未(ふうらいまつ) 食う寝るところに 住むところ やぶらこうじのぶらこうじ パイポ パイポ パイポの シューリンガン シューリンガンの グーリンダイ グーリンダイの ポンポコピーの ポンポコナーの 長久命の長助 ※ この名前を今、早口で間違いなく言えたら、おそらく子どもたちの 人気者になれますね。 ジャンル別一覧
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